暦では立冬を過ぎ、いよいよ冬の訪れを迎える頃となりました。
木々は葉を落とし、目に入る景色はどことなく寂しげですが、
これは春の芽吹きに備えて、エネルギーを蓄えるための準備です。
動物は冬眠したり、活動を控えて体力温存。食料の少ない冬を乗り切ります。
冬の時期、自然界はこのように省エネモードに入ります。
さすがに冬眠はできない私たち人間ですが、自然の摂理に則り、
エネルギーと関係の強い腎をケアする知恵が、古くから受け継がれています。
中医学で言う「腎」は、腎臓だけではなく、
ホルモンや免疫系、泌尿器、生殖器系全般を指します。
エネルギーを貯蔵・分配し、水分を調整しながら、
生命の維持、発育、成長、生殖に関わるところです。
腎の氣の衰えは、骨・脳・髪・耳・尿道・生殖器官などに現れます。
骨粗鬆症、健忘症、白髪や抜け毛、聴力の低下など…いわゆる老化現象です。
アンチエイジングフードは、薬膳で言う腎の氣を高める食べ物ですし、
不妊治療にも腎を補う漢方を用いるのはそのためです。
このように、私たちの健康な身体や老化に影響を与える腎は、
生命力そのものと言っても過言ではありませんが、
腎は寒さや冷えの影響を受けやすいため、冬は特に腎を助ける生活が大切です。
腎を守る冬のセルフケアについてご紹介します。
①省エネモードの活動
日が沈むのは早く、上るのは遅い季節です。
自然のサイクルに合わせて、たっぷり睡眠をとりましょう。
汗をたくさんかく激しいスポーツやサウナなど、体力・水分の消耗は控えましょう。
②身体を温める。
お風呂に入る。
足湯をする。お腹周りを温める。(足とおなかには腎経のツボが多いです。)
軽い運動。冷たい飲み物・食べ物は避ける。
③腎を養う食材を積極的に摂る。
黒い食べ物(黒ゴマ、黒きくらげ、黒豆、黒米、昆布、しいたけなど)
牡蠣、海老、山芋、ナッツ類
④身体を温める食材も一緒に。
根菜類(大根、人参、芋類)ねぎ、しょうが、かぼちゃ
つまり、私たちの大好きなお風呂、こたつ、お鍋…ですね。
冬至にはかぼちゃを食べるし、日本の生活習慣にはちゃんと意味があって、
当たり前のことをしていると、自然と免疫力も上がるようになっているなんて
素晴らしい!
後は心の養生。年の瀬のあわただしさ、今年はコロナのせいにして
少しスローダウンしてみましょう。
Comments